なんでもそうですが、ゴールが見えてくるとおのずと力も入ってきますね。
どうもうどんです。
今回は何のひねりもなく、ただただ表題通りの話題です。
BITO R&D マグネシウム鍛造ホイール[MAGTAN]を装着しました。
んにゃーすばらしい!かっこいい!
で終わりたいんですがそれはおそらく当ブログ80万人の購読者が許してくれないのでもう少し詳しく書きます。
ちなみに本記事は5000字ちょっとの内容です。
飛ばし飛ばし読んでくださいネ♡
魔改造屋
なお、今回の加工は「BSファクトリー」さんで行っていただきました。
こちらは箱根に月一で集まる単気筒野郎の間では少し有名、というより知らないやつはいないようなバイク屋でして、俗に「魔改造屋」「ヤマト」「小泉さんのところ」などと言われているバイク屋です。
店主の小泉さんもカスタムされたSRXに乗ってらっしゃる方で、man3にもほぼ必ず顔を出されています。
2回目のman3に参加した際にいろいろ話を聞き、SRXというバイクに対する理解度と熱意、あとこちらの要望を形にできる技術力があることが分かったので、カスタムからメンテナンスまで一任することにしました。
あと、個人的にめちゃくちゃ細かいところですがマメに連絡をもらえるのがうれしいですね。バイク屋って進捗とか全くくれないところが多いので...。
後述しますが随所にBSFACTORISMが散りばめられています。
数値的なお話
さて、換装の話に戻します。
個々人の主観に左右される感覚よりも客観的な数値の違いが大好きな皆さんが多いと思われますので、先に純正との重量の差のお話を。
純粋な裸のホイール同士の比較ではなく同等品(ハブやディスクなど)がついた状態の比較ですので、重量自体はあくまで参考値になります。
2kgダイエットしました。 pic.twitter.com/4DZsaf1g5f
— カステラウドン (@KSTR_UDN) 2022年6月23日
前後 | 純正/マグ | 重量 | 差 |
フロント | 純正 | 8.0kg | -1.5kg |
マグ | 6.5kg | ||
リア | 純正 | 13.3kg | -1.9kg |
マグ | 11.4kg |
どうでしょうか?
先ほど述べた通り、ホイールの純粋な重量ではありません。
ただほぼ同じ条件での比較ですので、差を見るという観点では参考になるかと思っています。
合計3.5kgほどの減量ですね。まあ持った時点でかなり違ったのでそこそこ変わるんだろうなという気はしていました。
ただやはり、タイヤの重量等もあるので少し正確な数字とは言えませんねこれ。
ちなみにフロントだけですが、タイヤの重量(メーカーデータ参照)を引いた数値で比較してみましょう
タイヤ | 重量 | ホイールのみ | 差 | |
純正 3XV | DURO HF918 | 4.2 kg | 3.8kg | -1.1kg |
マグ | α14 | 3.8 kg | 2.7kg |
フロントだけだと1kg強。意外とそんなに差がない...?もしくはある...?
これが大きな差かどうか、というのは結構意見が分かれるかもしれません。
そもそも軽量化されている3XVホイールなのでリアは逆に差が広がったりとかあるかもしれませんね。
後で述べますが、ホイールの総重量以上に重量バランスも走行には関係してきますので、一概に○○円払ってこれだけ(しか)軽量化できてない/できたみたいな話は野暮かなと思っています。(そんな人いないとは思いますが)
ばね下の重量減によるメリット
さて、一般的にばね下の重量減によるメリットというのは数多くあります。
ここで一般的なことを話しても文字数がかさむだけなので大幅カットします。
バイクのジャイロ効果とは?影響と例を初心者向けにわかりやすく解説 | okomoto
見た目の話
”おしゃれはまず足元から”
僕が当初考えていたメリットは上にあげたような、走行面のメリットなどではなく、純粋に見た目がかっこいいという点でした。
80-90年代を象徴する3本スポークのキャストホイールから脱却しない限り、このバイクは絶対に垢抜けないと思っていました。
いくら外装や他の足回りをブラッシュアップしてネオカフェ寄りにしたとしても、どこか芋臭い感じが残ってしまうなと。現に今の仕様で感じている不満なところはそこでした。
特にYAMAHA車はこの時代、猫も杓子もこのホイールを使いまくってましたしね。
あえてこのホイールをチョイスして当時感を残すという選択肢もありましたが、カスタムのコンセプトの年式が徐々に上がっていってきていたので、このままホイールも新しくしちゃおうということになりました。
逆に、SRVあたりのクラシック目のスポークホイールのバイクがこれを履くとまた面白かったりします。
それからもわかる通り、カスタムにおけるホイールの重要性みたいなのは常々考えていました。
また、マグ鍛以外にもTOSHI-TECHのアルミ鍛造等も視野に入れましたがやはりスポークの形状が...
この後の加工の面まで考慮するとBITOのマグ鍛が必ずしも正解とも言えなさそうですが。
加工の話
さて、問題は加工です。
チョイスしたのはBITO R&Dのマグ鍛(フロント:3XV リア:3VN)です。
フロントは3インチ、リアは4インチと決めていたのでほぼこの選択肢しかありませんでした。
フロントは3XV用がそのままですが、リアはチェーンラインや、そもそもスイングアームを変更しなければいけませんでした。
1.スイングアーム
スイングアームは3VN用をベースにしました。そのままサス受けをつけてしまえば付きはしますが、ホイールベースが伸び、17㌅化も相まってシート下が間抜けになってしまいます。
実際、加工済みの物を持っていましたが、サス受けが後ろに来る関係上、どうしてもリアサスが寝過ぎてしまうことがわかりました。
ですので相談の結果、新たに程度のいい3VN用のスイングアームを調達、XJR用のチェーン引きと合体、ホイールベースは変えずにワイド化、剛性アップという作戦にしまし
た。(これが後々効いてくる)
XJR用を加工するだけでもいいのですが、それだとスイングアームの幅がワイドすぎて不格好になってしまうんですよねぇ...やはりワイド化するとはいえ、SRXは細いリアビューが命ですから。
2.チェーンライン
そこまではよかったのですが、一番の難関はチェーンライン出しでした。
一部で行われているフロントのスプロケを外に出すという手もありましたが、ナットの掛かりが浅くなること、フレームを削る必要があることから却下となりました。
そうなるとホイールのハブをいじることになるわけですが...そうは問屋が卸さないわけですね。
マグ鍛はホイールとして極限まで設計を突き詰めているため、ハブを加工する余地がないのです。
おそらくイグザクトのホイールなどでは構造的に可能なのでしょうが、マグ鍛はハブまでしっかり鍛造されているため、半分詰みかけていました。
が、ここでDr.のひらめきが。スプロケキャリアを逆につければいいじゃん。
というわけで昔のテクマグのような形でスプロケットキャリアが外側に、スプロケを内側にすることでちょうどチェーンラインを出すことに成功しました。(超絶ぴったし)
キックにマグ鍛を入れる方がこれからいるかどうか...全くいないことはないと思いますが、もしいらっしゃるようであれば参考になるかもしれません。
デザインがよければイグザクトに頼んでキックにあうキック用のハブで作ってもらう、というのが速い気がしますが...
あの細いスポークが似合うかは僕にはわかりません。
実際のインプレ
とまぁなんやかんやでついたマグ鍛ですが、実際の走行はどうなんだということになりますよね?
下手糞ライダー的インプレですがもう少しお付き合いいただければと思います。
1.取り回し
まず取り回し。
めちゃくちゃ変わった!!!ということもなく、正直変わりません。
そもそも鈍重なバイクでもないので取り回しで四苦八苦することもないですしね...ただベアリング類とかは新調されているのでそれなりに軽くはなっているはずですが、走行面に対しては少し劣るというか、あまり変わりばえしないなというのは正直なところです。
2.ライディング
本題の走行面では結構ショッキングでした。
まずグリップ感。
これは何よりタイヤをα14に変えたのも大きいとは思っています。
いままでは常に脳裏にタイヤがすべるんじゃないか、というのを意識して走っていました。
現に18㌅時代のGT601なんて、グリップのグの字もないようなタイヤだったので余計それがありました。
それが今は勝手に曲がってくれるイメージです。
ライン取りの方にだいぶ意識を向けることができて結構走っているときの意識というか、脳のリソース管理みたいなのが変わってきた気がしています。
そして倒し込みのスムーズさが格段に違います。
というのも、ホイール換装前にスイングアームのみ変更し、一時的にハブ加工済みの3VNのホイールを拝借して伊豆スカイラインや千葉のワインディングを走っていました。
やはりワイド化の恩恵としてのグリップ(安定性)の良さというものはあったものの、倒し込みのもっさり感は否めませんでした。そりゃあケツが2.75インチから4インチになったんですからね..
こちらから倒す乗り方には慣れてきてはいましたが、やはりキックと比較すると軽快な倒し込みとはあまり言えませんでした。
マグ鍛換装後は、そういったネガがうまく減ってくれていて、ちゃんとグリップはするけど倒し込みのしやすさの感覚自体はキックの純正ホイールっぽさがあり、非常に奇妙というか面白いです。おそらくここはチョイスしたα14のプロファイルにもよるんじゃないかと思っています。同じサイズのS20と比較してもやはりすごくスリムに見えるので...
細いホイールの倒し込みの感覚と、太いホイール&ラジアルハイグリップのいいとこどりをしているわけですからね。まさしく鬼に金棒です。
あとマグ鍛に限った話ではないんですが、キックのリアタイヤなんてほぼ選択肢がありませんがこちらはセルのタイヤなので選びたい放題なのがいいですね。何よりラジアルが履けるというのがデカいです。
3型は幻のラジアルだったくらいなので別にキック車両にラジアルはいても僕は剛性とかは問題ないと思ってます。
3.デメリット?
あとデメリットですがどうなんでしょうか?
正直大味な性格をしているので旋回時のなんちゃらかんちゃら〜みたいなことはわかりません。また特段乗り味が悪くなったとかはまだ感じられてはいません。
ただ、フロントのサスは流石にプリロードは緩めました。結構がつがつ感じたので。
サスのセッティングは必須ですね。
耐久性なんかも今どきのホイールなんで割れやすいとかはないと思っていますが、
塗装の弱さは少し目立ちます。気づいたら塗装が剥げてるというのが2か所ほどあったので少しデリケートすぎる気がします。表面の塗装がはがれたからと言ってすぐダメになるようなホイールではないですが...
あとは盗難のリスクが上がるくらいですが、ちゃんと監視カメラ付きの完全屋内ガレージに入れたのでとりあえずは安心かな...。
最後に
勢い余って一つの記事にまとめてしまいましたが、もう少し分割してもよかったかもしれない...
まだまだカスタムは続きますが大きく外観が変わるのはこれが最後...なのかな?今のところは。
あ、マフラーのヨシムラサンパー戻しが残ってた...
スイングアーム変えたからいろいろやることがあるんですよねあれも。あとチタンサイレンサーのエンドが汚くて再加工が必要だったり...。
それが終わったらOverのフルエキが欲しい方いたら安く譲るのでTwitterのDMにでもメッセージ下さい(梱包がめんどくさいので手渡しがいいです)(大田区)(贅沢)
少し読みづらくなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。